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サービスに変革を

PROJECT STORY 09
部品在庫管理の見直しで修理、メンテに新たな一手

専務執行役員(サービス担当役員):H.I & 本社サービス本部部品部 部品管理チーム:M.K

1分1秒でも早く直して欲しい!

農機が故障したら早く修理をして欲しいのは誰しもが願うこと。そして修理に必要な部品を即納するには十分な在庫が必須である。だがコストを抑える為、在庫数は出来る限り少なく保管したいのが理想。そんな両立しがたい希望を実現化しようと柴又運輸株式会社様と提携し、部品の物流拠点(以下、デポ)を埼玉県に設置する新プロジェクトが始まった。外部から見えない現場の問題とは何か。難局を乗り越えようと立ち上がったメンバーに迫る。

即納率を上げる取り組みが必要でした

  1.                        インタビューに答えるH.I専務

デポの立ち上げが必要になった理由について教えて下さい

H.I:弊社が輸入、販売しているメーカーは約40社あり、その修理用部品の売上点数は、年間約42万点にのぼります。お客様に安心して長くお使いいただく為、何時でも迅速に部品を発送できるよう在庫を確保し、即納率を上げる取り組みが必要でした。但し、在庫場所を増やすことで在庫量が過剰になる可能性もあり、全国の拠点にバランス良く部品を供給していく運用が必要でした。

これまで抱えていた具体的な課題は何でしょうか?

H.I:部品供給拠点が北海道にあることで以下のような課題がありました。

①海外から毎日届く航空便は、成田空港→北海道(本社)→全国各支社・営業所というルートで一旦、北海道を経由するため、輸送時間や作業に伴う労働時間等のロスが多い。

②可燃性のグリスや接着剤等がついた部品やモーター類は、国内の航空便では危険物であり輸送できない為、陸路輸送となり、本州や九州への輸送時間は航空便の2~3倍かかる。

③輸送時間が掛かる本州、九州などの拠点では、欠品を防ぐ為安全在庫以上に部品を抱えこみ、在庫回転率が低くなってしまう。

拠点設置場所の選定理由を教えて下さい

H.I:以下の点が決め手となりました。

①当初より成田便の利便性について認識はあったが、本社の北海道移転やコロナウイルス感染拡大の影響により更に明確化され、総合的に判断しても成田便が確実であったこと。

②関東圏内のデポであれば、東北方面や西日本方面への陸路が確保できること。

③柴又運輸株式会社様は、1974年にわが社が埼玉県上尾市に事業所を開設した翌年の1975年より、トラクターや作業機、部品の物流で取引関係があり、今日も変わらない信頼関係があったこと。

部品デポ外観

期待される改善点を教えて下さい

H.I:関東圏にデポを置くことで、本州、九州地区へが3~4日短縮される、修理が迅速に行える、営業所で抱え込む過剰在庫とその管理業務は減少する等の効果が期待されます。また2年後に完全外注委託となり、社員の部品物流に要する業務時間が削減されます。更に営業所では、部品棚卸しが楽になり、在庫確認や処理・管理作業等の負担が軽減され、今以上にお客様と対面できる時間が増えたり、修理対応に注力できると思っております。

更に、デポ設置だけでなく部品在庫管理システムの導入も進めており、これにより在庫の適正時期が見え、お客様の需要時期や、技術員の予定にあわせて納品が可能になると思っています。

~デポ立ち上げから係わるM.Kさんに、現場の視点から設置について伺ってみました~

新たな事を始めるのは、その仕事を育てていく様で面白いです

デポ立ち上げについて語るM.Kさん

今回立ち上げメンバーになるまでの経歴を簡単に教えていただけませんか?

M.K:入社後、上尾事業所部品管理チーム配属、本社移転に伴い恵庭に移動後、東日本支社部品チームに転勤、再び本社を経てこの度本州デポ勤務となりました。

これまで全国の部品業務に携わり、今回デポに配属されると知った時のお気持ちをお聞かせ下さい

M.K:新たな部品拠点立上に伴う社内外多くの手続きや対応で、大変な業務になるだろうと思いました。業務委託先の柴又運輸株式会社様は、元々上尾事業所にて部品の入出庫などを行って頂いた会社ですので、不安は特にありませんでした。

実際に配属されて仕事はいかがですか?

M.K:北海道以外の各支社、及び管内全営業所へデポの説明と、今後の在庫予想などの聞き取りを短期間で回る日々が続き、体力的・精神的にも疲労が溜まりました。また、輸入貨物の受入れ準備と引取方法を試行する為、成田へ赴き作業に立ち会うこともありました。

部品デポ内観

現在の仕事内容を教えて下さい

M.K:デポ内で事務所として機能する為、必要なOA機器、パソコン、インターネットプロバイダ 、電話やWifi回線の準備や、部品を保管・収納する棚の設置、また業務委託先と輸入貨物の受入、開梱、検品、仕分、発送の手順や欠品や違品入荷時の申告方法等が、事前に定めた業務手順通りかの確認、本社と連絡、情報共有などをしています。

この仕事の面白い部分、難しい部分を教えて下さい

M.K:新たな事を始めるのは、その仕事を育てていく様で面白いと思います。仕事の問題点を見つけ、解決するうちに、僅かであっても、可能な範囲が少しずつ広がっていく楽しみがあります。難しい部分は、十分に情報共有し両社が連携し、方向性を統一させることです。本社と柴又様との間に入り、円滑に業務が進められる様1つ1つ丁寧に確認したり、問題やリスクを対面で意見交換することは必要なことですが、現在は慌しくなかなか時間が取れないのが現状です。また社内システムの改修を含め、多くの見直しが必要であると考えております。

大変な業務の中、嬉しかったエピソードはございますか?

M.K:1人で勤務しているので、「元気ですか?」の一言でも、気に掛けて連絡してくれる仲間がいる事は嬉しいですね。

個人として大切にしている座右の銘はございますか?

M.K:“考えても分からない時は先ず動いてみよう”

デポの将来像とは?

お2人が描くデポの将来像を教えて下さい

H.I:

本州デポが期待通りの稼働レベルに達した後、東日本支社の支社部品在庫を本州デポに移動する予定です。部品在庫拠点を見直すことで部品が集約され、東日本支社配下の営業所へ安定供給が可能となります。東日本支社の部品担当は、部品物流業務が減少することで、営業所からの問合せに集中出来る様になると考えています。

M.K:

本州デポがある事で、部品手配の時間が削減され、出庫頻度の高い部品がスムーズに供給出来るようになり、万が一災害が発生した場合でも、本州に部品拠点があれば、物流が寸断されても対応が出来るようになると思います。

未来のエム・エス・ケーを変えてゆく

今後拠点の移動とシステム強化で倉庫管理が充実すれば、より速く全国各地に届けられ、修理やメンテを敏速に対処できる。人手を介する仕事は省力化され、社員のゆとりを生み、業務の質を向上させる。入荷遅延を心配するが故の過剰在庫は無くなり、管理もし易くなる。そして何よりお客様の不安をいち早く取り除くことが出来るようになる。デポの活用で、お客様にも社員にとってもそのメリットは大きい。今後、更なる業務効率化にむけて拍車が掛かる。



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