
先端技術で
農業を変える
PROJECT STORY 11
技術で広がる無限の可能性
営業推進部 部長 H.N
PROJECT STORY 11
技術で広がる無限の可能性
営業推進部 部長 H.N
近年、あちこちで耳にするようになったスマート〇〇という言葉。「スマート農業」という言葉も広く知られるようになった昨今、なんとなく理解できても具体的な例が想像出来ない人も多いはずだ。では実際農業の現場ではどのような事が行われているのであろう。農業機械を世界から輸入し、販売する我社の取り組み、そのメリットについてわかりやすくご紹介したい。
加速度的に進むIoT/ICT(注1)に代表される先進技術に対応し、営業と技術の両面から現場をサポートする為に、部署横断でメンバーを招集したチームとなります。
我社が取扱う商品は、かねてからの売れ筋商品と、先進技術(IoT/ICT)を装備したイノベーション商品があり、これまでは、営業推進チームが統括し現場をサポートしてきましたが、先進技術搭載機種が増えてきた中で、より高い技術に対応する専門性が必要な為に新たに先進技術推進チームを発足させました。
お客様の利益に繋がる先進技術の提案とサービスを提供する現場のサポートが目的です。
我々は製造メーカーではありませんので、直接、製品を開発したり製造する事は出来ませんが、世界から一流の商品を仕入れ、お客様に提案できる事が我々の強みであり、我々の「マーケティング戦略」となります。海外の商品を日本の使用条件に合わせ、提供する事が基本的且つ重要な取り組みと考えております。
現在世の中は「ロボットトラクター」に注目が集まっています。数年前のテレビドラマで一気に認知度が上がり、業界内でも国産メーカーが製品化にこぎつけるなど、今後もロボット化は加速していくと考えておりますが、今は過渡期の状態であります。我社の現状は、完全ロボットの一歩前にある自動操舵装置(注2)の販売が主力となっております。これまで北海道を中心に販売を増やしてきましたが、昨年末にエントリーモデルが発売され、本州、九州地区においても需要が拡大しております。当面の目標は、全国レベルで導入を増やし、裾野を広げ、最も身近なロボット技術として定着させていきます。現在ロボットトラクターを商業ベースで発売/定着させている海外取引メーカーはありませんが、ロボット技術は日々進化しており、そう遠くない将来、普通に導入される日が来ると考えております。
テレマティクスシステム(注3)は、車両の位置情報や作動状況をリアルタイムに送受信/表示でき、作業に必要なマッピング設定や播種/散布幅等の自動切替に必要なデータを出力したり、走行情報から機械の故障診断をするシステムで、自動操舵同様、今後のIoT/ICTのコアとなる技術となります。現在我社では、大型コンバインに実装しデータの解析をしており、今後これ以外にも展開していきます。
また、これまで我社のビジネスモデルには無かった、気象や土壌データ解析システムで、土中の状態や農作物の生育状況を管理しつつ農機を連動させ、肥料等を散布する開発も進めております。適正量を散布することで土壌への悪影響を防ぐという、環境保全の取り組みにもつながっており、「ソリューションビジネス」にも着手する予定です。
昨今のトラクターと作業機は電子制御化が進み、操作が手動から自動になっています。ただし、これまでは作業機メーカーが個別で開発したシステムにより、作業機を操作するコントロールボックスが違う為、互換性がありませんでしたが、どのメーカーの組み合わせでも情報通信が繋がるように整備された国際規格がISOBUSとなります。
ただ、この規格もまだ課題は多く、バージョン(改訂表記)によっては同じISOBUSでも繋がらない事もあります。先進技術チームでは我社が扱う製品間のISOBUS規格の互換性の確認とデータ化に取り組んでおります。
農業業界において最も大きい課題点の一つに農業労働人口の減少が挙げられます。自動化へ向かう先進技術は、作業の省力化や負担軽減、効率性と生産性の向上に繋がります。
また作業の再現性も高く、経験年数が少ない方が操作しても、熟練者の作業手順をトレースできます。その結果として無駄な動きが省けた上、低燃費にもなります。これは国際的な取組の持続可能な開発目標(SDGs)の「産業と技術革新の基盤を作ろう」の理念にも結び付きます。
始めてみると新技術に貪欲なのは実はお客様で、お客様のお問い合わせから新技術の情報を得たり、「必要は発明の母」と言われるように、実際お客様が望む改善点が新技術の種となることも少なくなくありません。海外の情報は、インターネットやSNSからオンデマンドで得られる為、我々も常に世界の最新情報に目を向け、生産者様と同じ目線で要望に応えられるように取り組む事が、更に肝要だと考えています。その時IoT/ICTの先進技術は、これまでマニュアルでは難しいとされてきた事を高いレベルで解決に導くツールとなります。
いわゆる「家電」と同じように、情報が最新である期間は短く、常にアップデートやデータの蓄積が必要になります。絶えず新しい情報を現場に正確に伝えられるレベルを保つことが難しい部分と考えます。
また、これまでの常識では考えもつかない新しい技術との出会い、それを商品化するまでの過程が面白い部分だと思います。
“先進技術も基本が大事”
チーム発足前から課題として残っていたシステムエラーの解決をチーム担当に命じ、「解決した」連絡があったので、「どのように解決した?」と尋ねたところ、「取扱説明書に記載された事を順を追って実施しただけです。」と返ってきたその言葉が印象に残っています。過去にスマホの操作が分からなくなった時、感覚で何とかできると思い、操作するがどうやっても上手く行かなかったが、取説を順を追ってよく読んだら答えは本当に簡単だったという事を思い出し、基本に忠実になる事が解決への近道である事をあらためて気づかされる瞬間でした。
先進技術はロボットだけに留まらず色々な可能性があると考えています。
トラクターも将来は地上を走っているとは限りません。これからの革新的技術にアンテナを広く持ち続け、お客様へ提案して参ります。また常にお客様目線で役に立つ商品を開発し続ける集団(チーム)を目指していきます。
継続は力なりです。
自分に対しての戒めの意味を込めて。
これまでの技術の発展は、人力を伴う作業を農業機械で行うことで省力化を実現し、私たちを重労働から解放してくれた。しかし、スマート農業では精度が求められる作業さえ、未経験でも簡単かつ正確に作業が可能になる。さらに気象や土壌データとの組み合わせで、土中の様子や最適な収穫時期もわかるようになり、品質の良い作物を量産することも、規模を拡大した場合の管理も、たった1つの機器を操るだけで実現できるようになる。これまで夢のようだった農業の姿は、更なる技術の発展で着実に現実として目の前に広がりつつある。
注1:
IoT:Internet of Thingsの略称。様々なものがインターネットを介してデータを送受信することで、遠隔操作や制御といったことができる技術
ICT:Information and Communication Technologyの略称。IT技術でデジタル化された情報を使いコミュニケーションに活用すること。
注2:自動操舵装置:測位衛星からの位置情報を用い、予め設定した走行経路に沿って自動でハンドル操舵が行われるもの。位置はモニターで確認でき、補正情報で更に誤差のない作業ができる。直進のみならず、いびつな地形や曲線といった困難な場所でも走行をアシストし、精度の高い作業を行うことができる。
注3:テレマティクスシステム:Telecommunication(通信)とInformatics(情報科学)を組み合わせた造語。搭載した通信システムをインターネットに接続し、情報を管理したり、GPSで位置情報や運行状況をリアルタイムに提供することができる。
ニュース
2025年2月10日
トピックス
【2/16~2/17】西日本支社展示会開催のお知らせ
2025年1月30日
新製品情報
クラース 新型コンバインEVION430のページを開設しました
2025年1月16日
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お客様の声に新しく「優勢営農集団様」を公開しました
2024年10月2日
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MF7S210EXDV、MF7S180EXDV、MF6S165EXDV リコール実施のお知らせ
2024年10月2日
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MF6713-4C、MF5710-4C、MF4709-4C、MF4707-4C リコール実施のお知らせ
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YouTubeに新しい動画「【自走式スクレーパー】NUHN社 ALLEY VAC」を追加しました
2024年12月13日
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