お客様の声VOICE OF CUSTOMER
福島県大玉村
あだたらアグリサービス
伊藤 洋様
掲載日:2023/06/29
作物・作業
水田 約30ha
福島県大玉村
あだたらアグリサービス
伊藤 洋様
掲載日:2023/06/29
作物・作業
水田 約30ha
福島県安達郡にある大玉村は、県のほぼ中央に位置している。安達太良山がそびえ立っており、山紫水明が感じられる場所とも言える。そんな大玉村で農業を営まれている伊藤様にお話をお伺いした。
元々、家が兼業農家で、小さいころから当たり前のように農業があった。17,8歳の頃、親戚でMFを使っている農家さんがいて、それに乗せてもらって「いいな」と思った。僕の農業は、一台のトラクターから始まった。20代は違う仕事をしていたが、26歳 の時、親父が亡くなり覚悟を決めた。
そうですね。平成18年に大型スーパーが近くにできたんですよ。ご縁もあり、そのスーパーから「地元の農産物を販売したい」との依頼があって、お米を店頭で販売しました。その後もスーパーから「販売している弁当のごはんにも採用したい」という話ももらって、いくつかの品種とのコンペの結果、大玉の米を採用してもらった。でも、困ったのはここからで、販売する米がなかった。でも、「この話はチャンス」と思い、農協に売った米を高く買い戻してスーパーに販売していった。売上は上がっていったが、採算は厳しかった。そこでアスパラガスも栽培したが、最盛期が米と重なり、家族から不満がでて米だけにした。米の買い入れは数年続いたが、こうして米をスーパーへ売ったことが、今、注力している米のブランディングのきっかけにもなった。
安達太良山の伏流水と粘土質で肥沃な土。また、大玉は風通しがよく、いもち病になりにくい。地元の大学でも大玉の米は研究されていて、うまいと言われている他の米と数字的には同等若しくはそれ以上と、おいしさは証明されている。そして、何より、作り方が違う。うちは、収量より品質にこだわっている。大切にしていることは、何よりも「美味しいこと」その期待は絶対に裏切れない。一度失った信用は取り戻せない。東日本大震災の直後は風評があり、一時、お客が離れたけど、子供達は「福島の米を食べたい」と言って、戻ってきたこともある。
お米に「ご縁に感謝」 とプリントしてますが、それに尽きると思う。「感謝に敵なし、反省に終わりなし」。それさえ忘れなければ何とかやっていける。特に若いときは、みんなに助けられた。父が亡くなったころ知り合った弁護士も「色気を出さず、農業一本でやることが大切。」と言ってくれた。人に助けられてきた人生で、「目の上のたんこぶ」となる人、気を遣う人が重要だと思う。MSKの営業担当者もいい人で、この担当者でなかったら、こうなっていなかった。あと、親父も「農業は大変だ」と言わず、夢を語ってくれたことも、今の自分には大きいと思う。
そうなんですよ。娘が農業に興味を持っていて、トラクターに乗りたいと言えば、どんなに忙しくても乗せる(笑)。恥ずかしがらず、なんでもやるところが、僕に似ているかな(笑)
東京農大で消費者の行動分析を行っているゼミがあり、農産物の直売所でのお客様の店頭観察の為、大玉村に来るようになり、「あだたらの里直売所」の矢吹店長 が紹介してくれたことがきっかけ。毎年夏に東京駅構内に大玉村のブースを作っていて、昨年はJRから「きゅうり畑を駅構内につくりたい」と言われ、こっちできゅうりを育てて分割型のアーチのまま東京まで運んで畑を作ったんですよ。このきゅうり畑の管理を農大の学生がしてくれた。こうした交流が続いているけど、学生は優秀で、こちらも教わることも多いです。
国産のトラクターは確かに水田仕様になっているが、ファーガソンは、「いい」。。。。でも良さを一言で言えない(笑)。自分にしか分からない感覚だが乗ってて「優越感」がある。それは、例えばこの辺りの土地はカチカチ粘土質で強みがあるが、ファーガソンだと作業していてストレスを感じない。これ以上のトラクターが無かった。代かきでファーガソンが使えるか不安だったけど、タイヤが太く、接地圧が低く良かった。グローバルの良さは車体の重さとそれと余計な機能がないこと。重さは水稲に重要。大回りするコース取りが国産トラクターと違うが、これが俺のやり方。
5m70cmのウィングハローも契約してこの春から使い始めたが、作業効率が上がって他の仕事に回せる時間が増えた。前のウィングハローだとグローバルの運転席からハローの端が見えにくかったが、その問題がなくなって作業がしやすくなった。
使いにくい面は、ハンドルが切れないことかな。でも、これは農道を広くすべきだと捉えている。農家は減る一方で農地が大規模化し、農機も大型化する中で、農道も広くなければならない。そこまで農政で考えて欲しいと働きかけたい。
自分の役割は、地域を「繋ぐ」ことだと思っている。若い人が地元を好きになって、ここに居てよかったと思ってもらい、こうした若い人たちが繋がっていってほしい。こうした思いもあり、「縁(えにし)プロジェクト」をしている。僕の他に直売所の矢吹店長、地元の先輩など有志が集まって活動をしている。例えば、菅原道真を祭っている郡山市の安積国造神社でご祈祷を受けたお米を高校受験生に配ったり、コロナ感染拡大の為、地元の学校の合唱部は発表の機会がなかったので、屋内だと密になるので屋外にステージを設置して発表会をしてもらったり。学校も予算が限られているので、「ちょっとした」お手伝いを「縁プロジェクト」でしている。若いころいろいろしたので、罪滅ぼしですよ(笑)
「福、笑い」は福島県のトップブランド米。開発に14年かけ、炊き上がりの豊かな香りと柔らかいな食感で口に広がる強い甘みが特長。
2023年5月には伊藤さんの圃場で生産農家のほか福島県知事や地元の小中学生、福島大学の学生たちが「福、笑い」の苗を一株ずつ丁寧に手植えする田植え式が行われた。
「ご縁に感謝」というその言葉のとおり、伊藤さんは人との繋がりを大切にする気さくで温かいお人柄だった。収量より品質にこだわって作られたお米にはそんな人柄や地元大玉村への想いが詰まっている。担い手不足が深刻化する日本農業ではあるが、伊藤さんの想いはお米や活動を通じて未来へと繋がっていくに違いない。伊藤さんとの「ご縁に感謝」です。
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福島県大玉村
作物・作業
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所有されている商品
マッセイ・ファーガソン
トラクター (MF382 MF5710)
クーン
ブームモアー(E4745M)
松山
ウィングハロー(WLZ5700NX-4L)
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