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お客様の声VOICE OF CUSTOMER

長野県南牧村

新海 一禎

掲載日:2021/11/19

作物・作業
総面積 約12ha
レタス (約1ha)、キャベツ(約6ha)、白菜(約5ha)

真のスマート農業ありかた

四方を美しい山々が囲む長野県南牧村。かつて、厳しい寒さが農作物に弊害をもたらし人々を悩ませたが、今では白菜やレタスといった高原野菜の一大産地となっている。新海 一禎様は代々続くこの地特有の土壌と向き合いつつ、化学に対する高い見識からユニークな野菜栽培に挑んでいる方だ。フェントの機能性に早くから着目し、本州で初めて3台を導入したお客様の1人であり、農業機械の豊富な知識から独自の使い方を実践する等、そのマルチな才能は他に類を見ない。コロナ禍で変わる農業。専門的知見から見出した有効活用法と、生き残りをかけたこれからの戦略について伺った。

農業を始めたきっかけは何ですか?

大学で土壌肥料学を専攻し窒素とリン酸、AM菌(注1)の研究をしていて、帰省してたまに野菜農家を営む親の手伝いをしていた。結婚を機に生産性の高い農業に変えようと始めたのがきっかけかな。

農業に面白味を感じたのはいつ頃からですか?

親が体系立ててなかった肥料設計、播種計画、農薬散布を3年目から自分で始めて、野菜の価格が大暴落した時「負けるもんか」って努力してからかな。そういう意味では今の方が面白いかもしれない。

どんなところが面白いですか?

数年前までは雨の際中に葉面散布したり、ゲリラ豪雨の後深夜でもすぐに農薬散布に向かうなど、他の人より努力すれば収入として返ってきたけど、最近は品種改良、栽培技術の進歩により皆が安定していいものを作れるようになってきている。それに、野菜全般的に相場を安定させるために国産品と輸入品で調整をしたり、輸送費などのコスト削減のためにスーパー内に植物工場(注2)を併設して栽培から販売までしているところもあって、流通や販売側での企業努力がすざましく、結果、異常気象による作柄不良がない限り高値は望めない。その中で生産面でロスを抑え、コストを削減し、かつ異常気象による作柄不良を予測し、防除、追肥、葉面散布等をただ闇雲に行うのではなくピンポイントで対処し、いかに安定した生産を行うかが面白いなと思ってきている。

やりがいは何ですか?

肥料や農薬、資材、人件費、運賃等販売手数料が年々上がるから、コスト削減が課題であり、やりがいでもあるね。白菜を例に挙げると、十年前までは販売手数料控除後の金額で1株あたり80円のコストでも黒字になったけど、ここ2、3年は1株あたり50円以下を考えないと、機械の更新や土壌改良などに投資ができない。農薬も殺虫剤は抵抗性がつきやすく、3〜4年ごとに新規薬剤が必要でなかなかコストが下げられない。燃料代も夏の需要期は必然的に価格が上昇するので、総合的にコストを削減するには本当に知恵と努力が必要になる。今はゲリラ豪雨が当たり前となり、雨季と乾季が激しい気象条件の中で、如何に安定的に野菜生産ができるか努力することや、黒ボク土(注3)という日本特有の土壌を大切にし、その特長を活かしつつできるだけ環境に負荷を与えないようにし、コストも考えて野菜栽培をすることがやりがいかな。

新海様とフェント、キャベツ畑で。栽培されたキャベツはみずみずしく極上の甘さだ。

独自の栽培法はありますか?

就農後の数年は低農薬野菜を作りたくて、カニ殻グアノ肥料(注4)だけでレタスを作ってみたり、近年では土壌中のリン酸の有効利用や旱魃に強いレタスを目指してAM菌を苗に感染させたり、また、レタスや白菜の土壌病害を抑えるために土壌くん錠剤の代替えとして、ビール酵母細胞壁分解物(注5)耐熱性キチン質分解酵素(注6)、二価鉄(注7)を土壌に混和し、栽培をしたりして色々なことに挑戦した。低農薬野菜も、土壌くん錠剤不使用の野菜も持続型農業としては正しい方向なのかもしれないけど、やはりコストがかかるし、販売面でも系統販売では決して有利とはいえない。

webサイトで耐熱性キチン質分解酵素を利用した栽培をされていると見ましたが

耐熱性キチン質分解酵素は土中にある微生物を活性化させ、野菜が本来持っている抗酸化力を高め白菜の黄化病(注8)を抑える効果があって、キチン酵素を販売する前に圃場を提供して農薬と対照実験をしたんだ。

効果はいかがでしたか?

二毛作目で農薬の方から黄化病が出て、キチン酵素は大きさが均一ではないけど、良いものが出来た。でも両方併用すると、農薬が土着菌を殺してキチン酵素が菌を増やせず、黄化病を助長させる結果が出た。だから今は土壌混和はせずに、黄化病については別の方法で試行錯誤している。キチン酵素は発根促進の効果は明らかなので、定植時の活着促進のために使用したり、日照不足や多雨時の葉面散布に利用している。

新海さんオリジナル色のMFとフェント。背後に美しい山々が広がる。

作業で使用して良かった機械は?

トプコン社の自動操舵システムがあれば、傾斜でも蛇行することなくキッチリ耕うんができ、耕うん線に沿えば副次的な後作業のマルチ張りや畝立てがぴったりとできる。肥料散布もほぼ正確で量、コストに無駄が出ないし、夏は外が暗い中でも肥料散布やロータリー耕うんができ、土壌水分のいいタイミングで作業が可能になるので省力化になった。また、後進時にもガイダンスが可能なので、耕うんのスタート位置が確実に決められる

新海さんのある1日の作業と年間で使用する機械

独自の使い方はありますか?

トラクターはオプションでTMS(注9)をつけ、エンジン回転数がスムーズに調整され、手元のレバーだけでアクセル、ブレーキ、クラッチを可能にしたことかな。自動操舵システムアングルセンサー(注10)をつけ、オーバーラップ走行の無駄な燃料代を減らしたことや、高度ステアリングのチューニングにより、スワスに入りやすくガイドラインへのステアリングの収束を早くしたこと。

夕日に照らされるフェント

弊社を選んで頂いた理由は何ですか?

子供の時に親父がMF133を買ってトルクや馬力に感動した時からの付き合いで、サービスの対応営業の努力価格かな。

弊社の感想は?

サービスマンの職人気質とか、フェントを熟知していてニュアンス(笑)で伝えた不具合さえ理解してくれるから、安心して購入できるよね。

劇的スクープ?! フェントと飛行機のツーショット

フェント購入のきっかけは?

当時使っていたMFが瀕死の状態で、安くは無いが将来性はあると勧められて使ったら、抜群に良かったのがきっかけ。衝撃的だった。

他と明らかに違う点は?

エンジンの粘り輸送能力があるし故障が少ない。1640回転で50km速度の燃費の良さ、無段変速でギア変速が不要だし、前後進はジョイスティック、ボタンで作業毎の速度、PTO設定の自動化が出来るので操作性が高く、精神・肉体的ストレスが軽減した。抵抗で速度が落ちた時踏張りが利くし、抵抗が抜けた時のエンジン回転、トランスミッション制御にラグがない為、加速しても暴走せず扱い易い。ポジションコントロールを1~2%微量調整したい時の反応も素晴しい。

具体的な数字で表すと?

2割以上の省エネ、作業効率は移動・操作時間だけで3割増肥料ロスはGPSを使えば施肥量の精度が上がって1割位に減るかな。

今後の課題は何ですか?

子供が家族を持って始めても、人件費やコスト含め家族を養える収入を考えると、現状ではかなり厳しい。見通しは暗いけどツライばかりでは農業に魅力もないし、いずれ継ぐ日が来た時の為に経営基盤は作っておきたい。

年々農業経営が難しくなっている世の中、これからは本当の意味で“スマート”な農業が求められる。それは先端技術を活用した農業だけではない。新海さんのように、政治・経済・環境にアンテナを張り、既存農機を応用して効率的に作業する。そんな“知的”な方法で経営基盤を確立させようとする農業である。それらはまた、エネルギー削減に通じ、微生物の力を活かした土壌改良は地球の豊かさを守ろうとする、まさにSDGsの目標に該当する事柄ばかりである。これから生き残っていけるのは、新海さんのように広い視野で農業を捉え、未来を見据えた持続可能な農業をしていく人々なのかもしれない。

※注1

AM菌:菌根菌(注3)の一種でアーバスキュラー菌根ともいう。地球上大陸に生息する全植物のうち80%は感染しており、植物と共生して生育の改善や影響を与える菌といわれている。特長として植物を選ばず他の植物の根へも菌糸をつなげ、効果的に肥料や水を吸収し植物に供給してくれる。植物根圏外の土壌溶液中のリン酸や、土壌中にある不溶性のリン酸を溶解する細菌と連携し植物に供給することができる為、農薬や肥料を削減できる効果があると言われている。

※注2

植物工場:室内で植物の生育環境をコントロールしながら、野菜等植物を計画的に栽培する施設。

注3

黒ボク土(くろぼくど):黒くて感触がホクホクしているところから、古くからこの呼び名があり、国内のみ見られる。火山灰と腐植という植物が腐った成分が多く、保水性や透水性が高いといわれている。

※注4

グアノ肥料:海鳥などの糞などが長年堆積し化石化したもので、腐植酸が土壌中の金属成分と反応し、リン酸の吸収性を改善する天然有機肥料。

※注5

ビール酵母細胞壁分解物:ビール酵母を覆っている部分で、含まれる成分が植物の病原菌成分と類似しているため、植物が病気に感染したと勘違いし、成長や病気への耐性を促す効果があると言われている。

※注6

耐熱性キチン質分解酵素:有用微生物を特殊培養した有機発酵液肥で、土壌中の有用微生物を繁殖させ、カビ菌類を分解して生態系を整える効果がある。

※注7

二価鉄:植物が吸収し易い鉄分で、光合成を促し根を強くして病気になりにくくする。

※注8

黄化病:一般に収穫前10~ 20日ごろから外葉に黄化症状が現れ、収穫直前になって急激に病勢が進展する。はじめ外葉の数枚が黄色~ろう白色に変わり、外葉がV字型、あるいは半枯れ状に枯れ込んでくるものもみられる。これらの被害葉の中肋部を切断すると導管が変色している。

※注9

TMSTractor Management System(トラクターマネージメントシステム)の略で、エンジンとトランスミッションを制御し、どんな作業も最適にできるよう自動で調整してくれるフェントの誇るべき機能。

※注10

アングルセンサー:トプコンシステムのオプション機能で、前輪に角度センサーを取り付けることにより、低速から超低速域、さらに低速で精度の高い自動操舵が可能となるもの

弊社YouTube内では、新海さんが魅了されたフェントを体感できます!!

【お客様の声】 FENDTを選ぶワケ①:https://youtu.be/XDMkwAorIiE

【お客様の声】 FENDTを選ぶワケ②ティーチイン編:https://youtu.be/8pQ2QDz4ch8

長野県南牧村

作物・作業
総面積 約12ha
レタス (約1ha)、キャベツ(約6ha)、白菜(約5ha)

所有されている商品
フェント社 トラクター
(F415バリオ・F718バリオ T4)
マッセイファーガソン社 トラクター
(MF133・MF5445-4C D4・MF5713SL EFD6)
トプコン社(X25/AGI4)
トリマ社(Q5Sアーム・広幅バケット2.4M・サブフレーム) 

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